日本いのちの電話連盟申し合わせ事項

1977年8月16日制定
1981年2月10日改訂
1986年2月18日改訂
2004年6月4日改訂

1.いのちの電話の沿革

いのちの電話は、自殺をはじめとする精神的危機にある人たちの隣人になりたいという願いから生れた運動であり、 電話という手段で対話することを主目的とする。
特定の思想的・宗教的立場から自由であるとともに、 お互いの価値観を尊重することによって人々の心に新しい連帯を生み出している。

この運動の源流は、英国の ザ・サマリタンズ と オーストラリア のライフ・ライン であり、 約50年の歴史を有しているが、その後急速に世界各国に発展し、 2004 年にはイフォーテス(国際いのちの電話連盟)が確認したものだけでも70ケ国(含地域)に1,000を超える都市に拡大されている。

日本に於いては、1969年、東京のキリスト者有志がこの運動をわが国にも設立する構想を抱き、 2年の準備を経て1971年10月1日に「いのちの電話」として発足した。
その後1973年に「いのちの電話(東京)」は、この種の事業として初めて当時の厚生省から「社会福祉法人」としての認可を得、関係各方面からユニークな社会事業として高い評価を受けた。

この間、「東京イングリッシュ・ライフライン」、「関西いのちの電話」、「沖縄いのちの電話」、「北九州いのちの電話」が相次いで設立され、「日本いのちの電話連盟」(FIND)を結成した。
この後いのちの電話は全国的に拡大の一途をたどった。

2000年から厚生労働省の補助を受けて自殺防止事業を展開し、毎年フリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」を実施している。

2. いのちの電話の目的

いのちの電話は、孤独の中にあって、時には精神的危機に直面し、自殺をはじめ助けと励ましを求めている一人一人と、 主に「電話」という手段で対話すること。

そこではお互いの価値観を尊重しつつ精神的・情緒的に成長し、共に問題解決のために対話を深めていくことを目指す。 この対話は、最初の電話による接触のみならず、本人が必要とする限り継続され、また本人ないしは 家族など関係者の同意を得て、 専門家ないしは専門的諸機関による 相談・治療または保護を実施することもある。

このようにして援助を求めていた人が、その危機を克服し、その人自身の自由において、新たに生きる勇気を持つように至ることを目的とする。

3. いのちの電話の基本線

  1. いのちの電話でのプライバシーに関わる内容は守らなければならない。
    従って、相談は匿名でさしつかえなく、 プライバシーは保護される。
    相談の内容は、その人の同意なしに外部に公表してはならず、他の場でみだりに証言してはならない。
  2. いのちの電話では、かけ手も受け手も共に相手の価値観を尊重する。
  3. いのちの電話は、原則として、一日24時間・一年365日、休むことなく電話を受け、相談は無料である。
    但し、部分的に始めたセンターは、将来的には24時間体制を目指すものとする。
  4. 必要に応じて医師・弁護士らの専門家に対処させるか、関係公的機関に連絡通報する。
  5. 前項の目的のために、必要に応じて相手の同意を得ていのちの電話の専門家による面接ないしは治療を実施するか、 あるいは関係専門機関に紹介し、また協力を要請することもできる。
  6. いのちの電話は、自ら進んで奉仕しようとするボランティアによって支えられる。
    ボランティアの信条・人種・国籍・男女は、これを一切条件としない。
    これらの条件を満たすために、いのちの電話は、民間の手によって運営されることを原則とする。
  7. 相談ボランティアは、いのちの電話の定める基礎研修を受け、相談員として認定を受けた者である。

4.「いのちの電話」名称使用に関する認定基準

いのちの電話の名称使用は、既設のいのちの電話センターの指導の下で、下記の条件を満した上、隣接センターの推薦を得て、 “いのちの電話名称使用願”を連盟事務局に提出し、総会の承認を得ることとする。
但し、いのちの電話の目的及び基本線を逸脱した場合 「いのちの電話」の名称使用を取り消すことがある。

  1. 賛同者が100名以上いること。
  2. 発起人総会(又はこれにかわる会)後から開局までの準備期間が、1ケ年以上であること。
  3. 電話相談研修のために、講義及び自己理解と相互理解にかかわる体験学習など最低60時間以上、9ケ月以上の養成カリキュラムをもつこと。
  4. センターについては、原則として、所在地域の名称をつけること。

5. 連盟加盟に関する認定基準

日本いのちの電話連盟に加盟しようとするものは、以下に掲げる条件を満たすものとする。

  1. 法人・非法人を問わず、民間の手による理事会(委員会)を組織し、責任ある運営主体を確立していること。
  2. 事務局責任者を専任していること。
  3. 「いのちの電話の名称使用許可」を得ているセンターの場合は90日以上、これ以外の電話相談機関の場合は、1年以上の相相談実績を持っていること。
  4. いのちの電話の目的に沿い、基本線に明記されたれた条件を満たしていること。
  5. いのちの電話センターは、1都市1センターとし、所在都市名を名乗ることを原則とするが、隣接センターの了解を得た場合は、この限りではない。

上記の条件を満した上で、日本いのちの電話連盟加盟センターの推薦を得て、「日本いのちの電話連盟加盟申請書」を連盟事務局に提出し、総会の承認を得ること。

補足

以上各項の決定・変更・補足に関しては、連盟定期総会の承認を得て、発効するものとする。